「対岸の彼女」の一節
角田光代、「対岸の彼女」
中・高生で人間関係に悩みを抱えている人には、特に伝えてみたいなぁと思った言葉です。
周りの人が良いと言っているものではなくて、周りの人が自分に良いと思わせようと思っているものではなく、自分が心の底から「これだ!」(This is it!) と思えるようなものを見つけることができたら素敵ですね。
英訳に取り組んでみよう
さて、英作文はできましたか?(微笑)
まずは、「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達」がいる事→ B、「ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うこと」→ A、のように考えると
と表現できる事に気づけると良いですね!複雑な和文を英作文する時は特にそうなのですが、大きな骨組み→細かい表現という順番で考えると良いでしょう。
「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達」→「ひとりになることを恐れさせるたくさんの友達がいる事」と書き替えます。
まずは、「たくさんの友達」という名詞句を「ひとりになる事を恐れさせる」という部分が修飾(説明を加えている)しているので、関係代名詞や、分詞の形容詞的用法等の*後置修飾が使えそうだという事を見抜いてください。
※名詞 <who V> , 名詞 < who(m) S V φ >, 名詞 < ing / pp >等の後ろから名詞を修飾する形。
「恐れさせる」の「〜させる」の部分は使役動詞 make O do 「Oに(強制的に)〜させる」が使えます。
※人がOになる場合は(強制的に)というニュアンスが強く出るので、ここでは不自然だと感じる人もいるようです。※物の場合は(強制的に)というニュアンスは出ません。
「〜を恐れる」はbe afraid of~やbe scared of~が使えて、ここでは意味の差は出ません。afraidは形容詞としての方法しかありませんが、scareはscare O「Oを怖がらせる」という動詞としても使えます。
「ひとりでいること」はbeing alone や being by oneself 等が使えます。※oneselfはmyself, yourself, herself, himself のように主語に合わせて挿入される代名詞が変わります。
以上を踏まえると、① having many friends who make you feel scared of being alone などと書く事ができます。
また、make O do を使わない場合は、
② having many friends who(m) you feel scared of being alone without や
③ having many friends without whom you feel scared of being alone などと書けます。
without whom 等の 前置詞+関係代名詞は論文などの硬い文章にはよく見られる表現です。
①は関係代名詞 who が主格(主語)として用いられており、
②、③は関係代名詞who(m)が目的格(前置詞withoutの目的語)として用いられていますね。
※関係代名詞の目的格は口語では省略される事も多いですが、硬い文章では省略せずに書かれます。
また、前置詞+関係代名詞ではwhomのmも省略しません(硬い表現なので)。
「ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会う」ここでも「何か」という名詞を「ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる」が修飾している事を見抜きましょう。
「出会う」はmeet O 「Oと会う」としたくなりますが、物理的な出会いを含意するので避けましょう。encounter O も「(困難などと)出会う」なので、やめておきましょう。
ここでは、まだ自分にも分かっていない何かに「出会う」なので、discover O , find O 「〜を(偶然)発見する」が適切です。「何か」はsomethingでanythingにすると「何でも」になってしまいます。
「思わせてくれる」はmake O do を使って、make you feelと表現できる。「ひとりでいてもこわくない」→「ひとりでいても大丈夫」と考えましょう。
否定表現は英語では文頭に持ってくる事が通例なので、肯定表現に替えると英訳しやすいです。feel all right being alone, feel alright being alone, feel ok with being alone などと書く事ができます。
「思う」はthinkやbelieveでも良いのですが、後ろに続くall right, okとの相性を考えるとfeelが良いです。feelは主観、感性に基づいて、「〜だと思う」という意見を言うのに使われます。
「うんと大事な気が、今になってするんだよね」は、「私は〜が大事だと考える」I think / believe / feel that S is important. とすれば良いでしょう。
think 「〜と考える」が一般的に使われ、believe は think よりも意味が強く、strongly believe that という形で使われる事が多いです。
「今になって」は「今日では」nowwadays (過去と対比するときに用いられる)や 「近頃では」these days(現在形とともに用いられる)を使います。
recently 「最近」(過去形、現在完了等と共に用いる)、lately 「最近」(過去形、現在完了等の否定文、疑問文で用いられる)などは避けましょう。
解答例
解答1
These days, I think that finding something that makes you feel all right being alone is more important than having many friends who make you feel scared of being alone.
解答2
Nowadays, I feel that finding something that makes you feel all right being alone is more important than having many friends without whom you feel scared of being alone.
解答3
These days, I think that discovering something that makes you feel ok with being alone is more important than having many friends whom you feel afraid of being alone without.
解答4
Nowadays, I believe that discovering something that makes you feel alright being by yourself is more important than having a lot of friends.
解答4はシンプル解答です。
「ひとりでいるのがこわくなるような」が抜けていますが、メッセージとしては一応伝わっていますね。70〜80点というところでしょうか。
Tips
that節内の主語の部分でfinding somethingとするか、to find somethingとするかで悩んだ人も多いのではないでしょうか?to do ~とすると、「未来を志向」した表現となり、~ingを使うと「時間的に中立」、「過去を志向」した表現となります。
「ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会う事」をこれからする事と捉えれば、to do~が使えますし、教訓的なものと捉えれば、時間的に中立だという解釈で、~ingが使えます。
ただ、ネイティブチェックでは、どちらでも伝わるが、~ingを使ったものの方が自然だと感じると答えた人が多かったです。
英語学習を頑張りたいけど、なかなか継続できなくて悩んでいるという人はこちらの記事をあわせてお読み下さい。
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