英単語帳はなぜ使うの?

単語帳の暗記って全然単調でつまらないし、使える英語になる感じがしないんだけど?

そうだね。
単語帳が楽しくてしょうがないという人は割と少数派かもね。
ところで、カバりんにとって使える英語って何かな?

えっ?う〜ん。喋れたり、書けたりする英語の事かな。

カバりんが言っているのは、単語帳で勉強してもすぐには話したり、書いたりする時に使える発表語彙にはならない気がするということだね?
うん。それは一理あるな。

えっ?一理あるの?
じゃあ単語帳って意味ないのかな?

そんな事はないよ。
単語帳は正しい使い方をすれば、特に受容語彙を増やすのに効果的だよ。

受容語彙って何かな?
それ美味しいのかな?


あっ、この前「看過する」って言葉が使われているのを見た時、「見逃す」っていう意味だとわかったんだけど、「こんなの自然に出てこないわぁ」と思った。
こうゆうのが、受容語彙でいいんだよね?

その通り!覚えたばかりの単語が発表語彙になるのは稀だよ。
あと、当たり前だと思うかもしれないけど、自分が使える発表語彙の数は受容語彙以上にはならない事を知っておくと良いよ。


良い質問だね!
実は、
英語では基本語2000語が話し言葉の9割、書き言葉の8割を占めるという研究があるんだ。
ということは、基本語2000語を知っている人が、英語の文章を読んで語彙を増やそうとすると、その文章に出てくる8割は知っている事になるよね?


その通り!
だから、学習済み語彙数が2000語を超えてくる高校生の段階で、単語帳を持つことが多いんだね。


単語帳はうまく使えば有効な学習ツールになるんだけど、きちんと使えてない人は割と多いんだ。
だから今回は、単語帳を使った学習について、
① NGな勉強法
② 効率的に覚える為に意識すべき3つのポイント
③ 理想的な学習モデル
の3つを紹介するよ。
① 単語帳を使ったNGな勉強方法3つ
NGな勉強方法 ①
スペルと意味をひたすら書いて覚えている。
音声は全く活用していない。
NGな勉強方法 ②
英単語の音声を聞きながら、発音の練習、意味の想起の練習、スペルの練習をしているが、例文は確認しない。
NGな勉強方法 ③
英単語の発音、意味、スペル、例文でどのように使われているか等を意識した学習をしているが、基本的にはひたすら読む、書くが中心で、アウトプットする機会がない。

あなたの単語帳の使い方は上記の3つに当てはまっていませんでしたか?(微笑)
当てはまったなら、以下の3つのポイントを意識すると良いでしょう。

げっ、①に当てはまってた。なになに?3つ意識すれば良いんだね?
② 単語帳で英単語を効率的に覚える為に意識すべき3つのポイント
① 耳からインプットしよう
英単語を単語帳を使って勉強する際には、必ず音源を用意して、活用しましょう。
必ず音声を活用しましょう!←メモして下さい
音声を使って学習することで、以下のメリットがあります。
リスニングで使える語彙が手に入る
音声を活用すると、リーディングだけでなく、リスニングでの受容語彙も増やす事が出来ます。
例えば、theme という単語は「主題、テーマ」という意味です。
発音は/テーマ/、ではなく/θíːm / のように読まれるのですが、耳から聞けば学習がスムーズですよね。
リーディングでの意味処理スピードup
意味が分かっていて発音も分かる単語と、意味は分かっているが発音の分からない単語では、前者の方が意味の処理がスムーズに行われるという研究があります。
英語を速く読めるようになりたいと思っている人は、単語の意味を覚えるだけでなく、発音も同時に覚えていく事が実はリーディング力アップへの近道になります。
② 文脈を意識しよう
英単語帳を活用する目的の一つに、読んだり聞いたりすることができる受容語彙を増やす事が挙げられると思います。
その目的を達成する為には、文脈の中で該当する単語がどのような意味を持っているかを見抜く力を養う必要がありますよ。
例えば、mean という単語は、「~を意味する」、「意地悪な」、「平均」等の意味があります。
例文を読んでどの意味で使われているのかを意識する事で、長文においても同じことができるようになります。
- It means nothing to me.「僕には何の意味もないよ。」
- You are mean to me.「君は意地悪だね。」
- The mean score of this class was 75.4.「このクラスの平均点は75.4 でした。」
単語帳の例文を読む時には、それぞれの単語の意味、品詞等を理解しながら読むようにしましょう。
ちなみに、1つ目は動詞、2つ目が形容詞、3つ目が名詞ですね。
見抜けたでしょうか?
例文の文脈を活用して、より実践的な語彙力を身に付けましょう。
③ アウトプットを意識しよう
単語・例文の音読を繰り返して、発音・意味がある程度頭の中で一致し始めたら、以下の方法で学習すると良いです。
① 例文を和訳を参考にせずに読む
② 意味が想起できるか確かめる
のような手順で学習して、意味が想起できるかを自分でテストしてみましょう。
ひたすらに音読したり、ひたすらに書くという学習方法も効果がありますが、長期的に覚えておく為には、アウトプットが重要です。
インプット:アウトプット=3:7、くらいの比率で取り組むと良いですよ。
(参考:Study Hacker. インプットとアウトプットには黄金比あり! 脳科学で「勉強」「記憶」の効率を劇的に上げる。)
③ 単語帳を使った理想的な学習法のモデルケース2つ
スペルを覚える場合とそうでない場合の2種類を紹介しているよ。
モデルケース① 毎日10個ずつ(スペルも覚える場合)
- CDの音声に合わせて、3回ずつ音読しましょう。
- 英単語、例文を読み、意味が想起できるようにじっくりイメージしながら、意味を覚える。30個を1周したら、2周目、3周目と繰り返し、意味の想起練習を行いましょう。5周目くらいになると随分想起できるスピードが上がっていることに驚くでしょう。
- 音声・意味が覚えられたら、スペルを書く練習をしましょう。①・②がしっかりとできていれば、③にかかる時間は短くて済むはずです。
モデルケース② 毎日50個ずつ(スペルは必要ない場合)
毎日50個ずつ覚えて20日で1000語が1周できます。
意味の想起ができることを目標に!
- CDの音に合わせて3回ずつ音読
- 単語、例文を読み、50個全ての意味がスムーズに想起できるようになるまで、練習を繰り返す
まずは、発音が分かり、意味が分かるという状態にもっていく事が重要です。
そうすれば、リーディング、リスニングで使える語彙数が増えますからね。
必要に応じてフェーズ②までいくと良いでしょう。
スペルを書けるようになることよりも、単語の意味がわかるようになることを優先して取り組むと良いです。
単語の意味が分かれば、リーディング、リスニングの練習を積む事で英語力をガンガン伸ばしていけるよ。
おわりに
単語帳を使って効率的に語彙力をupさせれば、より実践的な、リーディング、リスニング、のスキルの上達スピードがアップする事間違いなしです。
単語帳を上手に使って、タイパ良くスコアupしましょう。