2021年の大谷翔平の活躍について
2021年の大谷選手のMLBでの活躍は凄まじいものでした。以下は彼が今シーズン残した数字です。
投手成績
年 | 勝利数 | 敗北数 | 防御率 | 先発登板数 | 投球回数 | 奪三振数 | WHIP |
2021 | 9 | 2 | 3.18 | 23 | 130.1 | 156 | 1.09 |
※WHIPとは、Walks plus Hits per Innning Pitched の略で、投手が1イニング当たりに、いくつ「四球」と「ヒット」を許すかを計算したものです。
打者成績
年 | 打席 | ヒット | ホームラン | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | OPS |
2021 | 537 | 138 | 46 | 100 | 26 | .257 | .372 | .965 |
※OPSとは、On-base Plus Slugging の略で、打者の出塁率と長打率を足し合わせることで算出されます。
日本では、連日彼の活躍が報道されていましたが、海外ではどのように受け止められたのでしょうか。上記のYoutube動画のコメント欄抜粋を読み、海外での大谷翔平に対する評価を確認するとともに、英語表現についても学んでみましょう。
コメント ①
コメント ① 本文
Billy Fresh (原文ママ)
コメント ① 和訳
ホームラン、四球、盗塁でトップ5になり、三塁打で1位というのは信じられないよ。防御率 3.18と奪三振率 10.8もすごくいいね。だけど、同じシーズンで両方やるっていうのはちょっと聞いたことがないな。
コメント ① 解説
参考資料(MLB 公式サイトを参考にしました)
順位 | 選手名 | Home Runs |
1 | Vladimir Guerrero | 48 |
1 | Salvador Perez | 48 |
3 | Shohei Ohtani | 46 |
順位 | 選手名 | Walks |
1 | Juan Soto | 145 |
2 | Joey Gallo | 111 |
3 | Bryce Harper | 100 |
4 | Robbie Grossman | 98 |
5 | Shohei Ohtani | 96 |
順位 | 選手名 | Triples |
1 | Shohei Ohtani | 8 |
1 | David Peralta | 8 |
1 | Bryan Reynolds | 8 |
順位 | 選手名 | Stolen Bases |
1 | Starling Marte | 47 |
2 | Whit Merrifield | 40 |
3 | Trea Turner | 32 |
4 | Tommy Edman | 30 |
4 | Cedric Mullins | 30 |
4 | Myles Straw | 30 |
7 | Jose Ramirez | 27 |
8 | Shohei Ohtani | 26 |
・Home Run は「ホームラン」のことです。・Walk は「四球」のことです。大谷選手はかなりの高い確率でボールをスタンドに運んでしまうので、対戦相手から警戒されるようになり、フォアボール(四球)が増えました。・Stolen Base は「盗塁」のことです。・Triple は「三塁打」のことです。ちなみに、「二塁打」がDouble、「一塁打」が Single です。大谷選手の盗塁の多さや、三塁打の多さは、彼がパワーだけでなく、スピード面においても非常に優れていることを証明しています。
・ERA は Earned Run Average の略で「防御率」を意味しています。投手が9回を投げた際に何点取られてしまうかを示す指標です。・K/9 は「奪三振率」を意味しています。投手が9回を投げた際にいくつ三振を取る事ができるかを示す指標です。大谷選手は今季はケガで離脱していたこともあり、規定投球回数に達していないので、投手としてはランキングに掲載されていませんが、もし到達していれば、ERA はベスト20入り、K/9 はベスト10入りしていたでしょう。
投手としての活躍、打者としての活躍をそれぞれ別々に見ても充分素晴らしいのですが、それを同一人物がやってしまったことが、MLBに大きな衝撃を与えました。
コメント ②
コメント ② 本文
M Art (原文ママ)
コメント ② 和訳
我々が目の当たりにしてきたこれらの翔タイム(ショータイム)がいかに素晴らしかったか。来年、彼が同じようにやってくれることを願っているよ。
コメント ② 解説
・How 形容詞/副詞 S V ! 「いかに/なんと~か」という意味を表す感嘆文が使われていますね。e.g. How beautiful this flower is! 「この花はなんて美しいのだ。」のように使うことができます。
・showtimes は、ここでは「ショータイム、見せ場」という言葉と、Shoという大谷翔平の名前との掛け言葉として使われています。
コメント ③
コメント ③ 本文
Retro Baseball (原文ママ)
コメント ③ 和訳
僕が今まで見て来た中で、信じられないくらいに最高に素晴らしい選手だよ。
コメント ③ 解説
・by far 「はるかに」という意味で、後ろに来ている最上級 the most unvelievable を強調しています。・後ろに来ているのが比較級の場合は far を使います。e.g. far more unvelievable ※他にも much、a lot 等を「はるかに」という意味で比較級の強調として使う事ができます。
・the most unvelievalble player ( ) I’ve ever seen. カッコの中には、目的格の関係代名詞が省略されているのに気づきましたか。カッコ内に入れるとしたら、 who と that のどちらを用いるべきでしょうか。実は、先行詞の部分に最上級や、序数、only、every、all 等が用いられるときは、that が好まれます。理由としては、whoはwh-疑問文なので、不確定というイメージがありますが、that は the から派生してできた言葉なので、特定されているものと相性が良いのです。最上級や序数、only、every、all 等を使うと、後ろに来る名詞は特定されますよね。よって that の方が相性が良いということになるのです。
コメント ④
コメント ④ 本文
Pumpkin Hill (原文ママ)
コメント ④ 和訳
この動画はただ彼の奪った三振とホームランを集めただけだね。彼は二塁打と三塁打も他の誰もできないくらいに足で稼ぎ、生まれながらの泥棒のように塁を盗み、マウンドを上手にさばき、驚くべき野球IQを持っているんだ。王と彼は野球界で最も良い人でもあるね。皆と仲良くやるし、いつも微笑んでいるし、ゴミを拾う為に立ち止まるし、ネクストバッターズサークルを整理整頓するし、いつも楽しんでいて、とにかく試合が好きなんだ。想像しうるなかで最も尊敬でき、親切で、誠実な選手だね。それに加えて、彼はとても見た目が良いよね。
コメント ④ 解説
・leg out は「足で安打を稼ぐ」という意味です。e.g. leg out an infield hit 「足で内野安打を稼ぐ」のように使います。・natural thief の natural は「自然の」ではなく、「生まれながらの」「生まれつきの」という意味です。・field 「~をさばく」は、field a gounder 「ゴロをさばく」のようにも使うことができます。
・Oh 「王 貞治」(1940年5月20日-)は日本プロ野球記録の868本のホームランを現役生活で放ちました。
・the nicest guy という先行詞を that gets along with everyone, always has a smile, stops to pick up trash and tidy up the on-deck circle, is always having fun and just loves the game. の部分が関係代名詞節として修飾しています。※He is the nicest guy that gets along with everyone. のような関係代名詞の入った文は、「皆とうまくやる最高に良い奴だ。」のように、先行詞 the nicest guy を that 以下が修飾しているのが分かるように訳し上げても良いですし、「彼は最高に良い奴で、皆と仲良くやるんだ。」のように that の前で区切って、訳し下げても良いです。今回の和訳では、that 以下が長いので、訳し下げることですっきりとした和訳にしました。
・that 以下の部分が、gets along ~、always has~、stops to ~,and tidy up のように、and で動詞が結ばれているのに気付いたでしょうか。3つ以上のものをandで結ぶ時には、A and B and C ではなく、A, B, and C のように最後にだけ and を置いて、後はコンマで代用するのが一般的です。
・stops to pick up trash 「ゴミを拾う為に立ち止まる」という意味です。・stop to do 「~するために立ち止まる」・stop -ing 「~することを止める」※stopは後ろに to do (to + 不定詞)が来るか、-ing(動名詞)が来るかで、意味が異なります。
おわりに
日本球界で活躍していた時にも投手と打者の二刀流で大きな注目を集めていましたが、MLBでも4年目にして信じられないくらいの好成績を残しました。来年以降はどのような活躍を見せてくれるのかと、各国の野球ファンが期待していることでしょう。