【名言】村上春樹の言葉を英語に訳そう

村上春樹の言葉 Vol.1 

世の中の知識や情報をいちいち律儀に頭に詰め込んでいたら、それだけで忙しくて、大事なことは何も出来なくなってしまう。
村上春樹

世の中の情報を詰め込む事、新聞を見て、ワイドショーを見て、ツイッターを見て、インスタを見て、ユーチューブを見て、なんてやっていると1日はあっという間に過ぎてしまって、大切なこと(学生なら試験勉強とか?)が出来ないという経験は誰もがありますよね。

英訳に取り組んでみよう!

さて、上記の引用を和文英訳する事はできましたか?

まずは、フレーズ毎に分解して考えてみましょう!

「世の中の知識や情報」→knowledge or information you get in our current world [ in our daily life]です。

「世の中」は in our current worldですが、「生活で」と考えて in our daily lifeともできますね。

「律儀に」は「礼儀正しく」と解釈してcourteously と書けなくもないですが、「いちいち律儀に」は「すべて」all of やallを使ったり、「いつも」alwaysを使うことで、「律儀に」を抜いても充分にメッセージが伝わるように思います。

「〜を頭に詰め込む」→直訳すると「stuff O into your mind」ですが、「頭に詰め込む」→「〜を知る」know や「〜を覚える」remember」や「〜を記憶する」memorize を使えば良いですね。

※stuff O into your mind はくだけた言い方で、cram O into your mind にすると硬めの表現になる。

世の中の知識や情報をすべて頭に詰め込める人はなかなかいませんので、try to 「〜しようとする」を付けると自然でしょう。

「忙しくて」→you are busy, you get busy, you become busy, 等がありますが、知識や情報を詰め込むことで忙しく「なる」ので、get, become, を使うようです。

また、get を使うと一時的な感じがして、becomeを使うとずっとその状態が続く感じがするみたいです。

「大事なことは何も出来なくなってしまう」→You can’t do anything important to you. You can’t do anything that matters to you. 等と言うことができます。

matter to~「〜にとって重要である」と言う意味です。

You can’t do what is important for you. も大丈夫ですが、 You can’t do the thing which is important for you. と同じなので、the thing 「唯一のこと」や「(話し手と聞き手に共通認識のある)こと」というニュアンスが出ます。

これらを踏まえて英訳すると、

解答1

If you try to remember all of the knowledge or information you get in our daily life, you will get too busy to do anything important for you.

解答2

If you try to memorize all the knowledge or information in our current world, you will become so busy that you can’t do anything that matters to you.

解答3

If you try to stuff all the knowledge or information in our daily life into your mind, you will become so busy that you can’t do what’s important for you.

解答4

If you try to cram the all of the knowledge or information in our current life into your mind, you will become so busy that you cannot tell and focus on what is important to you.

ここまで書いてきた解答は日本語になるべく忠実に英訳したものです。

言っていることの8割くらいを正しい英文で表現することを目指すならば、下記のように考えればよいと思います。

「世の中で起こっていることをいつも知っておこうとすると、忙しくて、大切な事に集中できない。」

このように日本語を書き換えれば、うんと書きやすくなりますね!

解答5

If you always try to know what is going on in the world, you become busy and you can’t concentrate on what is important for you. ※what is going on 「何が起こっているか」

ネイティブスピーカーには、解答5の評判が一番良かったです。

日本語に忠実に書こうとすると、文法的には正しいが、英語の母語話者からすると少しぎこちない感じがする文になりがちのようです。

 

村上春樹の名言 Vol.2

訓練を介さない楽しみとは本質的に退屈なものだ。

本質的に退屈でないものの楽しみとは、訓練によって得られる。

村上春樹

英訳してみよう

まずはなるべく日本語に忠実に私が英訳したものを紹介しますね。

(The) enjoyment that you can get without making an effort is dull in nature.

(The) enjoyment that is not dull in nature can be acquired through training.

上記の答えは、文法的には誤りではないが、不自然なところがあるとネイティブスピーカーに指摘されました。

どこが不自然か、わかりますか?

答えは、dullの箇所です。enjoyment 「楽しみ」が主語なので、それが「つまらない」というのは矛盾があるようです。

(The) enjoyment that you can get without making an effort is minimal [small] in nature.

(The) enjoyment that is not dull in nature can be acquired through training. とすれば良いようです。

1文目

「楽しみ」は、pleasure, enjoyment, joyなどありますが、pleasureとすると硬い印象で、enjoyment, joyの方がくだけた言い方のようです。

「訓練を介さない」は「介さない」を「〜なしで」と捉えて、withoutを使いましょう。

without trainingやwithout making an effort で表せます。

・make an effort 「努力をする」「本質的に」はin nature, essentially, intrinsically等が使えます。

「退屈な」はdull(知的面白さがなく、ワクワクしない)やboring(我慢出来ないくらいつまらない)を使えば良いのですが、ここでは、「楽しみ」が主語なので控えましょう。

2文目

「得られる」はacquire(努力、能力、行動によって「〜を獲得する」)を受け身で使って be acquiredとすれば良いです、obtain(努力によって「〜を得る」)も使えますが両者とも硬い表現です。

The には( )が付いています。theは話し手と聞き手の間に共通認識がある場合に使われます。

今回の場合は、努力をせずに得ることができる「喜び」なのですが、スマートフォンをいじること?等のある程度の共通認識が得られそうですが、ぼんやりとしていますね?なので、付けても付けなくても違和感がないようです。

Tips

日本語になるべく忠実に訳そうとすると上記のようなプロセスで逐語的に考えて行きますが、それでは最終的に英語としてチグハグになっていることが多い上に、求められる語彙レベルが上がりすぎてしまいます。

まずは日本語の意味を充分に考えて、英訳しやすいような形で加工してやると難易度がグっと下がります。

「訓練を介さない楽しみとは本質的に退屈なものだ。」

→「努力をせずに得られる楽しみは小さい。」

本質的に退屈でないものの楽しみとは、訓練によって得られる。

→「本当に楽しいものは、一生懸命やることで得られる。」

ニュアンス的に削られてしまっている部分もありますが、まったく何も書けない、伝わらない英文を書く、よりはだいぶ良いですよね!

別解1

(The) joy you can get without making an effort is small. Something really exciting comes from [when you do] hard work.

別解2

It is more enjoyable to train than to make no effort at all.

別解3

Training brings more joy than putting in no effort.

解説

ネイティブスピーカーに別解1はどうかと尋ねると、問題ないが、別解2、3の方が簡潔でよくないかと提案されました。

ほぼ同じ意味内容を短い言葉で表現出来てしまうネイティブの表現力に脱帽するとともに、日本人が採点者ならば、別解1ぐらいに留めて置くのが無難なのではないかと個人的には考えています。

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