【名言】小説家 村上春樹の言葉を英語に訳す

村上春樹の名言

訓練を介さない楽しみとは本質的に退屈なものだ。本質的に退屈でないものの楽しみとは、訓練によって得られる。

村上春樹

英訳してみよう

まずはなるべく日本語に忠実に私が英訳したものを紹介しますね。

(The) enjoyment that you can get without making an effort is dull in nature. (The) enjoyment that is not dull in nature can be acquired through training.

上記の答えは、文法的には誤りではないが、不自然なところがあるとネイティブスピーカーに指摘されました。

どこが不自然か、わかりますか?
答えは、dullの箇所です。enjoyment 「楽しみ」が主語なので、それが「つまらない」というのは矛盾があるようです。(The) enjoyment that you can get without making an effort is minimal [small] in nature. (The) enjoyment that is not dull in nature can be acquired through training. とすれば良いようです。

1文目

「楽しみ」は、pleasure, enjoyment, joyなどありますが、pleasureとすると硬い印象で、enjoyment, joyの方がくだけた言い方のようです。

「訓練を介さない」は「介さない」を「〜なしで」と捉えて、withoutを使いましょう。without trainingやwithout making an effort で表せます。

・make an effort 「努力をする」「本質的に」はin nature, essentially, intrinsically等が使えます。

「退屈な」はdull(知的面白さがなく、ワクワクしない)やboring(我慢出来ないくらいつまらない)を使えば良いのですが、ここでは、「楽しみ」が主語なので控えましょう。

2文目

「得られる」はacquire(努力、能力、行動によって「〜を獲得する」)を受け身で使って be acquiredとすれば良いです、obtain(努力によって「〜を得る」)も使えますが両者とも硬い表現です。

The には( )が付いています。theは話し手と聞き手の間に共通認識がある場合に使われます。今回の場合は、努力をせずに得ることができる「喜び」なのですが、スマートフォンをいじること?等のある程度の共通認識が得られそうですが、ぼんやりとしていますね?なので、付けても付けなくても違和感がないようです。

Tips

日本語になるべく忠実に訳そうとすると上記のようなプロセスで逐語的に考えて行きますが、それでは最終的に英語としてチグハグになっていることが多い上に、求められる語彙レベルが上がりすぎてしまいます。まずは日本語の意味を充分に考えて、英訳しやすいような形で加工してやると難易度がグっと下がります。

「訓練を介さない楽しみとは本質的に退屈なものだ。」→「努力をせずに得られる楽しみは小さい。」

本質的に退屈でないものの楽しみとは、訓練によって得られる。」→「本当に楽しいものは、一生懸命やることで得られる。」

ニュアンス的に削られてしまっている部分もありますが、まったく何も書けない、伝わらない英文を書く、よりはだいぶ良いですよね!

別解1

(The) joy you can get without making an effort is small. Something really exciting comes from [when you do] hard work.

別解2

It is more enjoyable to train than to make no effort at all.

別解3

Training brings more joy than putting in no effort.

解説

ネイティブスピーカーに別解1はどうかと尋ねると、問題ないが、別解2、3の方が簡潔でよくないかと提案されました。ほぼ同じ意味内容を短い言葉で表現出来てしまうネイティブの表現力に脱帽するとともに、日本人が採点者ならば、別解1ぐらいに留めて置くのが無難なのではないかと個人的には考えています。

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