鷲田清一さんの「折々のことば」
皆さん、紙の新聞は購読していますか?
私は朝日新聞を購読しています。
ネットニュース、SNS、と情報収集の手段が多様化している中で、新聞購読を続けている理由の一つは、鷲田清一さんの「折々のことば」の存在です。(一面の左下、天声人語の左上に陣取っているコーナーです。)
鷲田さんは、1949年京都府生まれの哲学者で、大阪大学・京都市立芸術大学・関西大学等で教鞭をとっていたようです。
さて、今回の作文のテーマがこちら!取り組んでみてください^^
が、話が刺激的な局面にさしかかるとさっと身を起こし、メモをとる。
そのさばき、実に格好よかった。
鷲田清一「折々のことば」
英訳してみよう
まずは、こちらを英語に訳しやすいように、日本語を加工してみましょう。
「哲学を教えていたとき、ある学生がずっと編み物をしていた。話が面白くなった時だけ、メモを取った。彼女のやり方は、とても格好良かった。」
日本語としてはよろしくないですが、随分と英訳に取り組みやすそうになったはずです。
フレーズ毎に英訳していきましょう。
「哲学を教えていたとき」→ While I was teaching philosophy at (the) university としましょう。
「〜とき」と言いたい場合には、when、while、 as が使えますが、ここでは、「編み物」、「講義」、が一定の時間において同時進行しているので、while S V、as S V が望ましいです。
while S V は「S V する間」と覚えると良いでしょう。
また、as S V は S V に来る情報の重要度が比較的に低い場合に用いられます。
e.g. As I was watching TV, the electricity went out.
「テレビを見ていた時、停電しました。」「大学で」とは書いていないですが、講義ということばは大学での授業を意味しますので、at (the) university、at (the) college を付け足しておきましょう。
the はイギリス英語では省くのが一般的です。
Tips
アメリカでは、university は総合大学で、collegeは単科大学であることが多いのです。
実際の言語使用において、学生が総合大学に所属していても、 “in my college” のように、university ではなく college も広義の大学を指す言葉として使ったりします。
イギリスにおいては、ケンブリッジ等の名門大学を中心にカレッジ制度を導入している大学が多く、所属大学のカレッジと、コースに両方所属して、コースでの授業と、カレッジ(寮のようなもの)での少人数の学びの両方に取り組むようです。(イギリス元在住の知人A.Y.さんによる)
「ある学生がずっと編み物をしていた」→ a student was knitting during the class としましょう。
「ある」は a で表現しましょう。
ここでは、情報の受け取り手との「共通認識」が学生について存在していないので、the は使いません。
knit は knit a scarf 「マフラーを編む」のように knit O (他動詞)としても使えますし、目的語を取らずに自動詞としても使えます。
「話が面白くなった時だけ」→ Only when my lecture got interesting, she took notes としましょう。
「〜だけ」は only を使いましょう。
副詞なので、when S V の部分を修飾できますよ。「話」はここでは、「講義」を指しているので、lecture を使いましょう。
「面白くなった」は、was interesting、got interesting、became interesting を使いましょう。
変化して、一時的に面白くなったならばgotを、変化してその後面白くなったならばbecameを使いましょう。
ネイティブによると、どれを使っても自然であるとのことでした。
「メモをとる」は take a note、take notes を使いましょう。
memo は memorandum の省略された言い方で、 an official note という意味なので、他の人の目に触れることを前提とした公共性の高いメモに使いましょう。
和訳は「覚書、備忘録、回覧、規約、定款」等の硬い言葉が並んでいます。普段私たちが取るメモは、note が良さそうですね。
「彼女のやり方はとても格好良かった」→ how she did that was really stylish としましょう。
「彼女のやり方」は how she did that や the way she did that と訳しましょう。
how [the way] S V「SがVする方法[やり方]」、「どのようにSがVするか」という意味です。「格好良い」は stylish、smart、cool (口語)等を使いましょう。
※the way S V、how S V のどちらを使っても自然であるが、the way S V を使うと、より彼女の動作に焦点が当たるようです。
そして、学校英語では、the way S V は the way that S V や the way in which S V の、省略された形であると教えられていることが多いのですが。
これらの表現は、口語では用いられることはほとんどありませんが、論説文や、論文等で用いられる硬めの表現だと知っておくと良いでしょう。
ゆるゆる解答
While I was teaching philosophy at (the) university, a student was knitting during the class.
Only when my lecture got interesting, she took notes. The way she did that was really stylish.
ゴリゴリ解答
While I was giving a lecture on philosophy at (the) university, there was a student who I noticed was knitting during the class.
She started to take notes only when my lecture got into an intellectually stimulating phase. I really liked the way she handled that.
・give a lecture 「講義をする」
・a lecture on philosophy → 話の内容が専門的な時には前置詞 on を用いますが、a story about friendship のように一般的な内容の時は前置詞 about を用います。
・a student who I noticed was knittingですが、名詞 who S V V’ のようになっているものを、連鎖関係代名詞(シンプルでわかりやすい説明をしているサイトがあったのでリンクしておきます)と呼びます。
この文の仕組みを理解するコツは、I noticed (that ) a student was knitting. のように、ひとまず 「S V ( that ) 名詞 V’ 」という形に分解してやることです。
S V の部分に来る表現は I think, I believe, I notice, I suppose 等の思考・認識に関わるものが多いです。
・stimulating 「刺激的な」は色々な刺激が存在しますので、intellectually stimulating 「知的に刺激的な」としましょう。
・phase 「局面、段階」硬めの言葉です。・handle O「Oをうまくやってのける、Oをさばく」
気持ちの良い運動(脳の)ができましたでしょうか?(微笑)この投稿が皆様にとって、intellectually stimulating であったら幸いです。
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