前置詞とは
前置詞は、名詞の前に置かれる語です。
英語では preposition と表記されます。
e.g. I saw my teacher
in the supermarket.
「私は先生をスーパーで見かけた。」
この文では in の部分が前置詞ですね。
前置詞は基本的に、方向・場所・時間等の関係性を表すのに使われます。
まえがき
チャイ前置詞が何かは分かるんだけど、at とか in とか何が違うのか、いまいちわからないんだよね。
かざん君そうだね。どちらも「~で」と訳せるから、日本語で区別するのは難しいよね。
チャイそっか、だから難しいのか。でもどうしたら区別できるのかな?
かざん君良い質問だね。実は前置詞を理解するには、視覚的なイメージが大切なんだよ。(微笑)
今回は、前置詞のイメージを図と例文で学んでみようか!
かざん君今回は、
at on in,
to for,
beween among,
by until,
in into,
on off,
across along,
over under,
above below,
up down
を対比しながら扱うよ。
at, on, in の使い分けについて
at, on, in はどちらも「~で」等と訳す事ができますが、それぞれ持っているイメージが異なっています。
at, on, in 空間編
at は点のイメージ

e.g.
at your fingertip
「指先で」
on は平面のイメージ
e.g.
on the blackboard
「黒板で」
in は立体のイメージ
e.g.
in the classroom
「教室で」
+α
下記の( )には at, in のどちらを入れたら良いでしょうか?
1. I ate dinner ( ) a restaurant.
「僕はレストランで夕食を食べました。」
2. I met my friend ( ) a restaurant.
「僕はレストランで友達に会いました。」
レストランは立体的な空間なので、in を両方に入れたくなりますね。
しかし、レストランは食事を提供する場所としての機能を持っていますね?
本来の機能をその場所が果たしている場合は at が使われますよ。
ということは、1. at 2. in が答えです。
at, on, in 時間編
at, on, in が時間を表す言葉と共に用いられる場合は、単位が小さいものには at、中くらいのものには on、大きいものには inを使いましょう。
e.g.
at 9 p.m.
「午前9時に」
e.g. on Sunday
「日曜日に」
e.g. in January
「一月に」
to, for の使い分けについて
to, for はどちらも「~に」等と訳す事ができますが、それぞれ持っているイメージが異なります。
to は到着のイメージ
e.g. I went to school
on last Sunday.
「僕はこの前の日曜日に学校に行った。」
for は方向のイメージ
e.g. The plane left
for Okinawa, but it returned to the airport for technical reasons.
「その飛行機は沖縄に出発したが、技術的な理由で空港へ戻りました。」
※ to は到着のイメージなので、実際に目的地に着いていますね。
for は方向のイメージなので、目的地に向けて出発はしていますが、必ずしも着いていることを意味しません。
between, among の使い分けについて
between, among はどちらも「~の間」と訳す事ができますが、何の間にあるかで使い分けます。
between は2者の間
e.g.
between you and me
「君と僕の間」
among は3者以上の間
e.g.
among young people
「若者の間で」
by, until の使い分けについて
by, until はどちらも「~まで」と訳せますが、期限を表すか、期間を表すかの違いがあります。
by は「~までに」という期限を表す

e.g. I’m supposed to hand in my homework
by Monday.
「僕は月曜日までに宿題を提出することになっています。」
until は「~までずっと」という期間を表す
e.g. I’ll be away
until Monday.
「僕は月曜日までずっと不在です。」
in, into の使い分けについて
in, into はどちらも「~に」等と訳せますが、それぞれ持っているイメージが異なります。
in は立体のイメージ
e.g. He’s
in the car.
「彼は車の中にいます。」
into は立体の中に入っていくイメージ
e.g. He jumped
into the pool.
「彼はプールに飛び込んだ。」
on と off の使い分けについて

on は接触のイメージ
e.g. Your glasses are
on the table.
「あなたの眼鏡は机の上にあります。」
e.g. I got
off a train.
「僕は電車から降りた。」
※ off は古英語の時代(400年ー1100年)には of の強調された形として使われていました。
of の元々の意味は “away, away from,” という(分離)のイメージなのです。
そこから of は中英語の時代(1100年ー1500)に、現在の「~の」と訳される属格の意味で用いられるように変化していきました。
e.g. The king of animals「百獣の王」
across と along の使い分けについて
across は横切るイメージ

e.g. He swam
across the river.
「彼はその川を泳いで渡った。」
along は沿うイメージ

e.g. He walked
along the street.
「彼はその通りを歩いた。」
※ across も along も共通の接頭辞 a- を持っていますね。古英語の時代(400年ー1100年)には、ant- という「前に」を示す接頭辞だったようです。
「前に」クロスすると、「横切る」というイメージが生まれ、「前に」長いと、「沿う」というイメージが生まれるのです。
over と under の使い分けについて
over は上向きの弧のイメージ

e.g. a bridge
over a river
「川に架かった橋」
under は下向きの弧のイメージ

e.g. a cat
under the table
「テーブルの下の猫」
above と below の使い分けについて
※ standard 「基準」という意味です。
above は基準より上のイメージ

below は基準より下のイメージ

e.g.
below the average
「平均未満の」
up と down の使い分けについて
up は上方への動きのイメージ

e.g. A cat jumped up
on the table.
「猫はテーブルの上にジャンプした。」
down は下方への動きのイメージ

e.g. A cat jumped
down on the table.
「猫はテーブルの上にジャンプした。」
※ 上記の例文での up, down 共に前置詞としてではなく、副詞として用いられています。
おわりに
前置詞のイメージについて理解が深まったでしょうか?
他にも前置詞はたくさんありますが、覚える際には日本語の意味だけではなくて、視覚的なイメージについて意識する事が正確な英文の理解や、円滑なコミュニケーションに繋がります。